◆ 御泊処「京町家」 ◆

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京町家あれこれ

町家は、京都の職住一体型の住居形式

町家(まちや)とは、おもに京都の職住一体型の住居形式のことを指します。
建築様式としては「町家造り」と呼ばれています。

町家は平安時代中期ころより発展し、江戸時代の中ごろには、現在残る形にほぼ近いものとなりました。

「町家」それとも「町屋」? どちらの表記が本当?

どちらも同じく聞こえますが、「まちや」の表記としては、町家、町屋の両方が使われています。
住居としてみる場合は、民家の一種であることから町家と表記されることが多く、店舗としてみる場合は町屋と表記されることが多いようです。

格子、虫籠窓、犬矢来。特徴的なしつらい

町家には平屋や3階建てもありますが、もっとも数が多かったのは2階建てです。
町家の外観には、紅殻格子(べんがらこうし)、虫籠(むしこ)窓、犬矢来など、特徴的なしつらいが用いられています。

これらは道路などと面する部分に用いられ、外からの光を採り入れる役割を担っています。
また、屋内からは外が見え、外からは屋内が見えにくいという、きわめて優秀な機能を持っています。
町家に住む人々のプライベートは、こうして守られてきました。

残念ながら、ガラスの登場以降、格子は衰退していってしまいました。
しかし現在でもなお、気をつけて観察してみると、あちらこちらで様々な形状の格子を目にすることができます。
ご興味のある方は、町家を探しに、京都の町を散策してみてはいかがでしょうか。

なお、京都商工会議所内に設けられている「京町家はんなり会」では、「京町家はんなりマップ」という京町家の紹介パンフレットを作成し、希望者に配布しているそうです。
詳しくは「京町家はんなり会」のウェブサイトをご覧ください。

◆紅殻格子とは

紅殻格子は、濃い色の格子です。
紅殻(べんがら)と呼ばれる酸化第二鉄(赤サビ)を主成分とした粉末に、エゴマ油などを混ぜて塗られていたことから、紅殻格子と呼ばれるようになりました。

紅殻格子は、色鮮やかなだけでなく、顔料の紅殻(紅柄、弁柄)の持つ防腐、防虫効果により、町家を守っています。すばらしい知恵ですね。

ちなみに紅殻の名前の由来は、産地であるインド北東部の地名ベンガルからきているそうです。

「うなぎの寝床」が作られた理由

町家を形容する言葉としてよく使われるのが「うなぎの寝床」。
建物の間口が狭く、奥行きが深いという間取りから、そう呼ばれるようになりました。
ではなぜ、「うなぎの寝床」の形ができたかというと、話は江戸時代のころにさかのぼります。
当時、町は自治組織であったため、実質上、町費が税金の意味合いを持っていました。
そして、その町費の金額は、間口に応じて決められていたそうです。
つまり、建物の間口が狭いほど、町費が少なくて済んだというわけです。
「うなぎの寝床」が作られた理由、なるほど納得ですね。

「蛤御門の変」と町家

京都に現存する町家は、1864年に起こった「蛤御門の変」以降に建てられたものがほとんどです。
「蛤御門の変」が終結する際に発生した大火(どんど焼き)によって、京都の町は広範囲にわたって焼失してしまいました。 その範囲は、北は一条通から南は七条の東本願寺に至り、数多くの社寺などが失われたそうです。

現存する町家を守り続けるために

京都市の調査によると、町家は市中心部だけで約25,000軒残っていますが、毎年300軒もの町家が取り壊されてしまっています。
これ以上の取り壊しを食い止めたい。私たちはそう願ってやみません。

※取り壊されつつある町家の実情を、「京町家の抱える問題」のページで説明しています。どうぞご覧ください。